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γリノレン酸の経口投与は、血液透析患者においてADP惹起血小板凝集を抑制する

γリノレン酸の経口投与は、血液透析患者においてADP惹起血小板凝集を抑制する

背景

γリノレン酸はn-6系に属する不飽和必須脂肪酸の一つで、母乳および一部の植物種子のみに含まれているために、一般の食事からはほとんど摂取できない。これは、リノール酸やαリノレン酸などの脂肪酸が容易に摂取できるのと大いに異なる。一方、血液透析患者では脂肪代謝異常があり、γリノレン酸を経口摂取することにより、多彩な臨床症状の改善の可能性が示唆されてきている。我々も今までに、γリノレン酸が透析患者の異常な赤血球変形能や白血球膜の流動性を改善させることを明らかににしてきた。

目的

γリノレン酸50mgを含有する錠剤を1日6錠、8週間内服投与させ、開始前、開始1か月後、2か月後に0.38%クエン酸ナトリウム加血液を採取した。血小板凝集能の測定方法としてマイクロレオロジー法(MCFAN)、血小板凝集惹起物質としてADPを用い、血漿通過時間および全血にADPを添加する前後(終濃度 0.3, 0.5, 0.7μM)の全血通過時間を、Bloody6-7のチップを用いて測定した。なお、生食通過時間は12秒に調整した。

結果

γリノレン酸投与前後において、ADP添加前の全血通過時間に有意差はなかったが、ADP添加後のそれは有意に短縮した(p<0.05)。同様に、投与前後によいて血漿通過時間も短縮した(p<0.05)。

考察および結論

γリノレン酸は血液透析患者の血小板凝集能を改善させることが示された。内服したγリノレン酸は血液中のジホモγリノレン酸の濃度を高め、その他の脂肪酸組成も変化させることから、おそらく血小板膜組成も変化し、その結果、凝集能を改善させたのではないかと推測した。

飯島 茂子 先生

はなみずきクリニック 副院長

プロフィール

筑波大学医学専門学群卒業
筑波大学医学博士の学位を取得
筑波大学附属病院 皮膚科医員
日立総合病院 皮膚科医師
筑波大学附属病院 皮膚科医員
水戸赤十字病院 皮膚科部長
筑波大学臨床医学系講師
水戸済生会総合病院 皮膚科部長
水戸済生会総合病院 副院長
医療安全管理部部長を兼任
はなみずきクリニック副院長

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