お問い合わせ: 03-5943-7101

血液流動性で心血管イベントを予測できる可能性が見えた

MCFAN導入のきっかけは?

血液の流れる画像がテレビなどのマスメディアでもてはやされているのを目にし、MCFANという装置を知りました。当初は「医学的にどうなのかな?」と疑問に思っていました。しかし、自分の血液が流れている様子を見ていただけるのは、生活習慣の改善や服薬などの理解と継続が必要な患者さん自身に「気づき」や「意識の向上」を持っていただくための教育と考えると、大変インパクトがあり効果があると考え、MCFANを導入しました。

櫃本内科1

MCFANを使って感じることは?

実際にMCFANを使用してみると、かなり有用性が高い検査だと強く実感を持つようになりました。具体的には、「心血管イベント発症予測指標」としてMCFANデータを活用できる可能性がある事です。検討の結果、心筋梗塞や脳梗塞などの血栓症の既往の有無や動脈硬化の炎症マーカーとMCFANデー夕が有意に関連し、心血管イベント発症を予測する指標になる可能性が示唆されました。その報告を2008年9月に東京で開催された第56回日本心臓病学会学術集会で発表しました。今後、MCFANは動脈硬化の診療に関して重要なツールになっていくのではないかと思っております。

現在はどのように遣用していますか?

MCFANは禁煙、生活習慣改善の効果、あるいはエパデールなどの薬剤の効果が確認でき、治療方針の計画を考えるうえでもとても重要な装置だと思います。
判断基準は、まず測定タイムオーバーかどうかで大きく分けます。測定タイムオーバーの患者さんは来院の度に測定しても同じような結果になる事が多く、要注意であると考えています。
次に75秒前後を越える方は、やはり何か悪い原因があると考えます。50秒前後であればまあまあで、 それより早ければあまり問題が無いと考えています。細かく秒数の変化をみるよりも、大きな視点で見るほうが病態を捉えやすいと感じています。
例えば測定タイムオーバーの患者さんがエパデールや抗血小板薬を服用するとMCFANデータが改善する事例が多くあります。これは明らかな進歩で評価できる事であるし、75秒程度の人が50秒台になる事は非常に良いことであると思います。

第56回心臓病学会発表要旨

【目的】MCFANの測定デ一タと古典的冠危険因子(高血圧、糖尿病、脂質代謝異常、肥満、喫煙)、高感度CRP、心血管イベント既往の有無との関連を検討した。

【対象】 当院に外来通院されている生活習慣病もしくは心血管イベント発症後のフォローアップを要する患者さん375名 (男性121名、女性254名、 年齢は67±12歳) 。

【評価方法】 MCFANの測定制限時間内 (約110秒) に血液100μLが流れ終わらない(不成功)、流れ終わる(成功)とし、流れ終わった場合についてはその時間(通過時間)で比較検討した(これを以下MCFANデ一タと称す 。)

  1. MCFANデータと古典的冠危険因子保有数との関連。
  2. MCFANデータと高感度CRP値 (動脈硬化および冠動脈疾患危険因子)との関連。
  3. MCFANデ一タと心血管イベント既往の有無との関連。

【結果】
①古典的冠危険因子を0または1保有の群に対して2保有の群、3以上保有の群と危険因子の保有数が増えるにしたがって、MCFANの測定結果は不成功例の比率が増える傾向があり、成功例の通過時間は有意に延長していた。
②高感度CRP値との比較では、低リスク群と言われている0.1mg/dL以下群に対して、中等度リスタ群の0.1mg/dL ~ 0.3mg/dL群と高リスク群の0.3mg/dL以上群では、MCFANの測定結果は有意に不成功例の比率が増え、成功例においても通過時間は有意に延長していた。
③心血管イベント既往の有無では、無しの群に対して有りの群では、MCFANの測定結果は有意に不成功例の比率が増え、成功例においても通過時間は有意に延長していた。また、多変量解析を行った結果でもMCFANの測定結果と心血管イベントの既往の有無が独立して関係していた。

櫃本1 櫃本2 櫃本3

櫃本 孝志 先生

ひつもと内科循環器科医院 院長

プロフィール

平成4年 東邦大学医学部卒業
平成9年 東邦大学医学部付属佐倉病院内科学助手
平成17年 下関厚生病院循環器内科医長、東邦大学佐倉病院内科客員講師
平成18年 下関厚生病院循環器内科部長

資料ダウンロード

PDF

 

 

 

Back to Top