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東京女子医科大学 特定関連診療所 戸塚ロイヤルクリニックの運用例に学ぶ

戸塚ロイヤルクリニックにおけるMCFAN検査の概要

戸塚ロイヤルクリニックは東京女子医科大学との協力により設立された会員制医療クラブ ロイヤルメディカルクラブが運営母体となり、保険診療の他、一般人間ドックをはじめ、血液サラサラドック、乳腺ドック、アンチェイ ジングドックなど様々な健康診断 (以下健診)を取り揃えた施設です。私は平成13年より東京女子医科大学附属成人医学センターにて血液サラサラドック (MCFANドック) をはじめてから現在に至るまで約4000例の受診者に対してMCFAN検査 (以下 MCFAN)を行っています。平成17年から兼務している戸塚 ロイヤルクリニックにおいても血液サラサラ ドックを受診者のニーズに合わせてショパンコース、モーツアルトコース、バッハコースと3種類に分けて実施しています。

栗原先生の研究において病態とMCFAN検査の関連性は?

我々の研究における病態との関連性は動脈硬化の危険因子となる脂肪肝で明らかな白血球の粘着性、血小板の凝集性が亢進し、その結果血液通過時間の延長を認めたことから始まりました。1) 最近話題の非アルコール性脂肪肝炎(NASH)においても同様の結果を認めています。糖尿病においては赤血球の変形性の低下や血小板の凝集性の亢進、高トリグリセライド血症においては赤血球の溶血に起因する血小板の凝集性の亢進などから血液通過時間の延長を認めます。特に肥満、糖尿病、脂肪肝を伴うメタボリックシンドロームの方は画像所見では流路のシェアストレスが掛かる前にすでに血小板や白血球の凝集塊が生じている方を見受けます。その他、生活習慣との関連性をみると喫煙、ストレスなどによって白血球が活性化されて白血球の粘着性が亢進することを確認しています2) 3) (図1 MCFAN画像例:ヘビースモーカー) 。

栗原_ヘビースモーカー

戸塚ロイヤルクリニックにおけるMCFAN検査の流れと受診者への注意事項は?

受診者に対する注意事項をまとめ、検査の流れを図2に示します。MCFANは普段の血流状態を観察することが大切ですから、次の内容を受診者に伝えています。
・普段通りの生活リズム(食生活・運動・投薬)で受診いただくこと
・早朝空腹時は脱水を生じることから水分を補給してから検査すること

栗原_検査の流れ

 

MCFAN結果を受診者に説明する上での注意事項は?

結果の説明は問診票 (資料1:血液サラサラドック 健診のためのお伺い・問診票)、他の血液検査結果 (生化学的検査、生理学的検査、血液学的検査)、受診者の病歴、生活習慣(喫煙)などを参考に説明しています。特に血中グルコース、血中トリグリセライド、喫煙習慣などはMCFANの緒果を解釈する上で重要なファクターと考えています。また検査結果に関しては説明資料(資料2:血液サラサラ検査 MCFAN検査の緒果について)をお渡ししています。

MCFANの意義と今後の展望は?

メタボリックシンドロームに代表される生活習慣病は、自己の努力により容易に改善されるにも関わらず実際には疾患に対する理解や自覚が持てないことが多く、臨床検査を中心とした数値結果の説明だけではなかなか受診者に理解を得ることができませんでした。このような方にMCFANは血流画像を自身が見て自覚を促すためのツールとして大変有効な手段となっています。私は長年MCFANを臨床に用いてきましたが将来的に経口薬、特に抗血小板薬などの効果の目安としても利用できるのではないかと期待しています。さらに 「はっきり病気だとはいえないけれど、全く健康かというとそうではない」、いわゆる 『未病』という考え方も生活習慣の乱れを現しており、メタポリックシンドロームなどへ移行する前にMCFANで生活の質を変えるような働きかけができればとも考えています。
最近、操作が簡便化した機種が開発され予防医学、抗加齢医学の分野で益々力を発揮するものと期待しています。

1) 栗原 毅、他:動脈硬化易発症病態としての脂肪肝の検討、消化器集団健診、35:188-191, 1997
2) Kurihara T, et al: Impaired blood rheology by remnantlike lipoprotein particles; studies in patients with fatty liver disease. Clin Hemorheol and Microcirc, 24: 217-225, 2001
3) 栗原 毅:MCFANによる血液サラサラ度検査の実際 -そこから何がわかる―
4) 栗原 毅、他:血液レオロジー測定装置 MCFANの臨床応用の試み(第一報)、ヘモレオロジー研究会誌、4:43-52, 2001

栗原 毅 先生

栗原クリニック院長、慶応義塾大学特任教授

プロフィール

昭和53年 北里大学医学部卒業。
東京女子医科大学消化器病センター内科に入局。肝臓病学を専攻。自己免疫肝炎の研究で医学博士。
平成9年 東京女子医科大学附属青山病院消化器内科、同成人医学センター助教授。
平成17年 東京女子医科大学内科教授、同時に、東京女子医科大学特定関連診療所
戸塚ロイヤルクリニック所長に就任
血液サラサラのすべてがわる本
C型肝炎・わかって治し最新インターフェロン治
血液サラサラ生活のすすめ
内臓脂肪は命の危険信号

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