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メタボリックシンドロームを中心に

MCFANを導入するきっかけは?

もう6,7年前になりますが、ちょうど私が臨床検査部長を担当していたころ検査技師さんのところに血液の流れを見る検査機器ができたので評価してほしいとの依頼がありました。 これがMCFANとの出会いでした。当初は手探りで特に赤血球の変形能や白血球の粘着能のような機能性を評価できれば病態を解析する上で大変有効ではないかと思いました。私は脂質関係の研究に従事していたこともあり話題のメタボリックシンドロームと血液流動性の関係をメインに研究をはじめました。私が診察している神戸の病院では検診にMCFANを導入して地域住民の健康管理に役立てていますし、 現在私の研究室では血流改善薬の効果判定の一つの指標として研究しています。

MCFANのメリツト及び注意点はどのようなことでしょうか?

MCFANのメリットは何といっても血液の流れを直接受診者に見てもらうことができ大変インパクトがあること、 マスメディアの報道もあって受診者が楽しく検査していることです。
ご存知の通り糖尿病や高脂血症といったメタボリックシンドロームは慢性疾患であり患者様自身が苦痛を感じないことから、自身の治療への意識、知識レベルを向上させないとドロップアウトします。このような方にはMCFANを用いて動機付けを行い、コンプライアンスよく治療するためのツールと成り得ると考えています。 私が経験した症例は総コレステロール値や中性脂肪値を説明して治療を開始してもなかなか理解してもらえなかった高脂血症の方がMCFANで検査したところ血液通過時間、画像とも異常でした。そこでご自身と健常者のMCFAN画像を相互に見せてどうして異常となったのかを説明しました。すると翌月から明らかに治療への意識が高まり、服薬のコンプライアンスがよくなりました。 このようにコンプライアンスのなかなか得られにくい方の多いメタボリックシンドロームではご自身の血液の状態をリアルに感じていただき自覚を促すことは大変効果があります。注意点としてはMCFANを医療機関で使用するにはよいのですが、最近マスコミを通じて有名になったこともあり、EBMに乏しい多くの健康食品の広告に利用されはじめたように見受けられます。市販の食品だけを摂取しても血液流動性がよくなることは殆どありません。それにも関わらずMCFANを利用して如何にも効果があるような宣伝をしている食品が多いことは大変残念でなりません。

芳野_正常

正常な血液流動性

芳野_高脂血症

高脂血症の方の血液流動性

MCFANはどのような方に有効に活用できるとお考えですか?

やはりメタボリックシンドロームの方、特に内臓肥満ですね。高度肥満は睡眠時無呼吸の方が多く、夜間低酸素状態となります。すると造血機能が亢進して多血症を呈して白血球数の増力を招き血液流動性が悪くなります。糖尿病は高血糖なちびに高中性脂肪血症による血液凝固系の亢進、各血球成分の増加により明らかに血液流動性が悪くなります。したがって、MCFANはメ夕ポリックシンドロームの重症度をみる一つの指標と考えています。
ご存知のようにメタボリックシンドロームは生活習慣の改善が必要です。その中でも喫煙習慣は大きなリスタフアクターであることが多くのメガスタディから明らかとなっています。喫煙者は白血球数を増加させて粘着能を亢進させることから血液流動性が悪くなります。1) 2)
今後メタボリックシンドロームで喫煙習慣を絶ってない方への生活指導のためのツールとしても利用できるのではないでしょうか。

芳野_研究室

今後に期待することは?

MCFANの結果は赤血球や白血球、血小板などの有形成分の数や機能に影響されることは分かっています。したがってMCFANの結果を断片的に評価することも大切ですが、 血液全体の複合的な性状を反映している特徴を十分に理解してこの結果をどのようにプライマリープリベンションに生かせるかを考えていくと面白いと思います。
また最近の動脈硬化学会や糖尿病学会などの知見ではメタボリックシンドロームを原因疾患とする多くの合併症が血管側に起因するものと考えられています。したがって今後はMCFANで測定できる血液側の要因と血管そのもの要因との因果関係がはっきりすれば病態解析を進める上で大変有用な結果が得られるものと考えています。

1) Meade TW, et al : Characteristics affecting fibrinolytic activity and plasma fibrinogen concentrations. BritMed J I : 153-156, 1979

2) 菊池佑二 他 : 債常者の部分母集団におけるMC-FAN全血通過峙聞の分布. 日本へモレオロジー学会誌4 : 7-13, 2001

芳野 原 先生

東邦大学医学部内科学(大森) 糖尿病代謝内分泌科教授

プロフィール

昭和46年3月 神戸大学医学部卒業
昭和55年7月 カナダ国オンタリオ州トロント大学 医学部リサーチフェロー
平成4年6月 神戸大学医学部第二内科学講座 講師
平成8年12月 東邦大学医学部臨床検査医学 教授
平成16年7月 東邦大学医学部内科学(大森)糖尿病代謝内分泌科 教授
現在に至る
内科学 代謝内分泌学
糖尿病 肥満治療
日本内科学会認定医
日本糖尿病学会認定医・指導医
日本動脈硬化学会評議員
日本内分泌学会評議員
日本肥満学会評議員

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